オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

卓人さんの顔を見上げると、卓人さんは瞬きもせずに私を見つめていて。

卓人さんの綺麗な顔立ちと透き通った漆黒の瞳に、思わず息を飲んだ。


「お前は誰が好きなんだよ?」

「…っ……」


火傷した時と同じ台詞…

もし機会があればあの時の答えを言おうって、心に決めていたことを思い出す。


「言えよ」

「ひどい…もうわかってるくせに…」

「わかんねぇよ。人の気持ちなんて言葉にしなきゃ伝わんねぇだろ?」


卓人さんは、頬を包んでいた手で私の髪を撫でるように梳いた後、親指で唇を撫でた。

ぞくっとする。

触られた頬も、髪も、唇も、甘く痺れる…


私の気持ち、言ってもいいの…?

諦めなくていいの…?

卓人さんには好きな人がいるんじゃないの…?


「ほら」

「私は…卓人さんが好き…大好きです…」


忘れようって決めた想い。

だけど、忘れようと頑張れば頑張るほど、強くなった想い。

私は卓人さんが好き…





< 242 / 251 >

この作品をシェア

pagetop