結婚の賞味期限 人生の消費期限【完】
それぞれが仕事と小学校と保育園に行く…


我が家の朝は今日も忙しかった。それはどこの家だって同じだろう…

普通の家族5人の日常の光景のはず…


でもそれは、以前の私にとっては決して手に入らないものだと諦めていた。

フツウであるということのむずかしさ…

だって、私は結婚した旦那に捨てられ、それなのにたまに帰ってくれば

殴られてお金をせびられないといけないようなどうしようもない女。


その旦那とやっとのことで離婚し、男はもういらないと思いながら、

凝りもせず今度は上司とお金を介しての愛人関係を続けてしまったような女。


そんな上司にすら転勤だからと捨てられた私を見つけたのは…

みずき君だった。


私のどこが彼を惹きつけたのか、未だにわからない。

それでも、彼はこんな条件だけ見ても不利な私を心の底から欲しがってくれた。


最終的にその当時は強姦された上司の子を妊娠したと思い込んだ私に

「それでもひなが欲しい…」

と望んでくれた。

娘たちと養子縁組して、私がみずき君と結婚して、晃希が生まれた。


多くの時間を家族として、夫婦として重ねながら

日々私たちなりのフツウを積み上げていく。


私にとっては「フツウであるということ」の奇跡に、毎日感謝しながら…
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