溺愛ヤンキーくん



「…森下櫂…なぜここにいる?」


「…先回りしただけですよ…あなた本当に何者なんですか?」


「…あたしはただの女子高生だが?」


「へぇ…ただの女子高生にしてはあり得ない程のロックの掛け方ですね…?」


「…そりゃどーも」


「…やはり10歳でアメリカのH大学院を出ただけはありますね?」


「…!?…なぜそれを?」


「…風の噂ですよ。…他にも…イタリア留学にロシア留学。しかもイタリアでの留学であなたは鳳凰のトップと接触してる…」


「それも風の噂か?」


「…いいえ。イタリア留学の情報は私が自分で見て確めた物です。」


「…へぇ…だからあんたは留学した事を知ってるのか」


「えぇ。…それにあなたには前から興味がありましてね。」


「…あたしはねぇぞ」





………こいつ一体何なんだ?




「…俺の事は櫂と呼べ、一之瀬優」


「…は?」


「だから俺の事は櫂と呼べ…」





あぁ…そうゆう事。



へぇ…あんたやっぱり素を隠してたな…



「…わかったよ。あんたの事は櫂と呼ばせてもらう。…だからあんたもあたしの事を優と呼べ」


「…そうさせてもらう。……そろそろ皇雅達が来る頃だ…「優ちゃ〜んっ!!櫂〜っ!!見つけたよっ〜!!」






げ。




見つかった…






―――ギュッ…―――



「…は?」



いきなり櫂があたしの腕を掴んで、あたしに耳打ちをした。


「…今のうちは炎龍に入っておいた方があなたの為です。大人しくしておけ」


出たよ…ブラック櫂…


「……へいよ…ってうおっ!?」



櫂に耳打ちされた次は蕾稚に後ろから抱き着かれるとか…



今日は厄日だ…




「ねぇ〜?2人で何話してたのぉ〜?」


「…お前は関係ねぇ」


「…むぅ〜!!教えてくれないとキスするよっ!!」




へぇ…



蕾稚があたしにキス出来る訳ねぇだろ。



それに…


「……やれるもんならしてみれば?」


「…うっ…むっ…ほ、ほんとのほんとにしちゃうよっ!?いいの!?」





あたしがそう言ったのに驚いたのか返事がおかしかったし、



制服の学ラン(ブレザーもある。)の中に着ているピンクの猫耳パーカーのフードで顔を隠しているから…




蕾稚は相当ピュアだな…と思った。






まぁ…そんな考えはそのうち破られるんだが…






この時のあたしはまだ知らない。





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