溺愛ヤンキーくん
「ってことで仲良くしよ〜ねっ!!」
と蕾稚はくりくりした目であたしにウインクした。
言っとくがあたしにそれは効かねぇよ。
つーかなんであたしがあんたらと仲良くしなきゃいけねぇの?
「…おい女。次はお前の番だ。名前を言え」
と皇雅。
言いたくないんだがなー…
言われた以上…仕方ない…
「…あたしは一之瀬優…」
「…知ってる。俺らが聞きたいのは通り名の事だ」
「…通り名なんかねぇ「とは言わせねぇよ?女一人で全国クラスの族がいると知っておきながらここに来てるし、ましてや普通の女だったらありえねぇような殺気を出してる。それに蕾稚にガン飛ばしてたしな」
っち…やはり鋭いな…
だが全国クラスの族がいるってのは今日しったんだがな…
「…当たりだよ秋川皇雅。あたし―一之瀬優―の通り名は氷姫…これでいいだろ?」
「「「……はぁっ!?」」」
「「「…やはりな」」」
おいおい…
なんで皇雅と櫂と翼が納得してるんだ?
まぁ後の双子と蕾稚は置いといて…
「…僕ますます優ちゃんの事気に入っちゃったっ!!…ねぇ皇雅っ!!優ちゃん僕が貰ってもいいよねっ!?」
「…はぁ!?あたしは絶対てめぇらに貰われねぇし、あたしは誰のでもねぇ!!」
ふぅ…言いたいこと言ってやったぜ…
これで少しは……
って…はぁ!?
なんで蕾稚はさっきよりも目を輝かせてるんだ!?
しかも皇雅達後ろで立ってる5人はびっくりしてるし…
そんなに変な事あたし言ったか?
「…おい、一之瀬優。お前炎龍に入れ」
「…はぁ!?あたしは絶対入らねーよ。鳳凰―ホウオウ―から勧誘来てるしな」
鳳凰とは世界トップクラスの族。
確か1番偉い族だったっけな…
「鳳…凰だと!?お前それほんとか?」
「…嘘ついてどうする秋川皇雅」
「…へぇ…お前気に入った。俺達の姫になれ」
「…やだ「もちろんそれなりの待遇はする。……毎日大好物の抹茶ラテをくれてやるぞ?」
うっ…
こいつ…なんであたしが抹茶ラテが大好物だと知っている…
……入りたくはないが…
全ては抹茶ラテの為だっ…
「……わかった…入る…だかあたしは姫にならない。普通の仲間として入る」
「…なら決まりだな?一之瀬優…おい、お前ら!今日から氷姫が炎龍に入る。だか姫としてではなく、1人の仲間として入る。…これでいいよな?氷姫」
「…あぁ。全ては抹茶ラテ…の為…」
――――キーンコーン…カーンコーン…―――――
やっと鐘が…なった…
「…あたし教室行くから。じゃーな」
「あっ!!まってよぉ〜優ちゃんっ!!僕も行く〜教室一緒だし〜」
しまった…忘れてた…
コイツらと教室一緒だった…
よし。こう言う時は…
「…逃げるが勝ちだっ!!」
「あっ!!優ちゃんっ待ってよ〜…」
――――――――――――
階段を駆け上がってあと教室まで1階分の階段を登ればいい所まで来た。
「……ハァ…ハァ…――これで少しは平気か?」
「――それはどうだろうな?一之瀬優」
「――…!?貴様…森下櫂…」
あたしがそう言うと扉の影から下にいたはずの森下櫂がいた。