毒舌に惑わされて
聖也はテレビを消して、私が持っていたボストンバッグをさり気なく持ち、玄関に向かう。
そういうさり気なさにときめてしまう。かっこいい男は罪だな。
静かな車内は気まずいから、私は1人でどうでもいいことを喋っていた。
聖也からは返事がないから、ただの独り言。でも、耳には入っているだろう。
「今日、大倉くんからデートに誘われたけど、泣く泣く断ったのよ。デートしたかったなー」
「またデートするつもりなのか?」
おや? 珍しく返事ありだ。大倉くんに興味ありか?
「うん。今週は無理だから、来週しようねって、約束したの。フフッ」
「何がフフッだよ。お前、バカだな」
「何でよ。デートを楽しみにするのにバカはないでしょ?」
「莉乃はさ、大倉さんが好きなの?」
「大倉くん? んー、好きと言えば好きだけど」
そういうさり気なさにときめてしまう。かっこいい男は罪だな。
静かな車内は気まずいから、私は1人でどうでもいいことを喋っていた。
聖也からは返事がないから、ただの独り言。でも、耳には入っているだろう。
「今日、大倉くんからデートに誘われたけど、泣く泣く断ったのよ。デートしたかったなー」
「またデートするつもりなのか?」
おや? 珍しく返事ありだ。大倉くんに興味ありか?
「うん。今週は無理だから、来週しようねって、約束したの。フフッ」
「何がフフッだよ。お前、バカだな」
「何でよ。デートを楽しみにするのにバカはないでしょ?」
「莉乃はさ、大倉さんが好きなの?」
「大倉くん? んー、好きと言えば好きだけど」