毒舌に惑わされて
「そうだ!肝心なことを言うの忘れていた。莉乃ちゃん、今日お泊まりでも大丈夫?」


「お泊まり?」


そういう重要なことは前もって言ってもらわないと困ります。


「えっと…、どこに行くつもりなの?」


「俺のばあちゃんち。あ、全然気を使う必要ないからね。たまたま一昨日、ばあちゃんから電話があって、遊びにおいでと言われたからであって。近くに大きい公園があるから、体動かしてから行こうか?」


大倉くんが立てた予定はすごいものだ。私をおばあさんにまで会わせようとするなんて。

これは拒否したい。


「あのね」


「ん? 都合悪い?」


「うん。明日ね、朝早くから出掛ける予定になっているから、夜は家に帰りたいんだよね」


明日は野村くんとデートだから、予定があるのは確かで、朝早く出掛けるというのも嘘ではない。


「そっか…」


「でも、この前行った公園に行こうよ。またバドミントンをやりたいな」


大倉くんは車をUターンさせて、公園へと向かった。

今日は曇り空だけど、バドミントンで動き回って、汗をかく。

私がベンチに座るとまた大倉くんが飲み物を買ってきてくれた。
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