毒舌に惑わされて
「じゃあ、タクシーで帰るよ。気にしないで」


「何言ってるのよ。ここからタクシーなんていくらかかると思ってるの~?」


私の家からここまで結構な距離があった。タクシーだったら、かなりの金額を請求されるだろう。

それでも帰ろうとしたけど、明日何も予定がないということもあって、泊まることになってしまった。

聖也も同じく泊まることになる。今日は長い1日だな。


「ここに寝てね」


マスターが和室に布団を敷いてくれた。私はシーツを敷くのを手伝う。

葉月は先に酔いつぶれて既に寝室で夢の中である。


「ねえ、これって、聖也と一緒にここなの?」


二組の布団がどこかの旅館みたいにくっついて、敷いてある。聖也は今、シャワー中だ。


「ん?ここしか布団敷ける部屋ないから、仲良く一緒に寝てね。何してもいいよ」


マスター、何でそんなに楽しそうなのよ?
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