恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
彼がこっちに異動してきて2週間が過ぎた7月も半ば、

課で歓迎会をすることになり、飲み会があった。


「相良さん、今度2人で飲みに行きませんか?」

トイレの前で彼はそう私に声をかけた。

「実は…私普段の夜は飲みに行くのは無理なの」

私はシングルマザー。

子どもを養うため、転勤なしの条件で正社員として働いていた。

今日は会社の飲み会だから、子ども達は遠くにいる

母親の家に泊めてもらっていた。

しかし、普通の夜は家に帰って子どもたちの世話を

しなければならない。

それは嫌じゃないけど、他の人と違って自由は効かない…

「子どもさんもご一緒にどうぞ。僕は大丈夫ですから」

そう言って、微笑むだけだった。

「じゃ―、娘たちに聞いてみる」

「お嬢さんなんですか?年は?」

「10歳と8歳」

「かわいいんでしょうねぇ~」

「女の子なんて小学校に入ったら生意気で手が付けられなくなるよ。

この頃、本当に困ってる」

「大変ですね。じゃ、息抜きにもなるでしょうし。

店探してメールするんで、アドレスとか教えてもらえますか?」

私は特に深く考えず、赤外線で彼に連絡先を教えた。
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