恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
会社の飲み会のときはあの人と泊まりが多かった。


あの晩で終わりかもと思っていたが…

まだそのチャンスはあったようだ。

もう終わりがすぐそこに見えているのに、

もうじき終わりだとあの人も言っていたのに…

それでも拒絶できない私は…

本当に弱い。


前の日の晩の『よろしく。』といういつものメール。

『はい』

と答えてしまう私。

結局最後まであの人のペースに流されてしまっている…


いつものように、会社の飲み会で顔を合わせてから一度別れ、

何食わぬ顔をして決まったホテルのフロントに行く。

いつもの流れに、いつしか罪悪感すら感じなくなった…

というか、そういう感情をある時から捨て去り、割り切るように無理矢理した。

私はお金が欲しいただの悪女なのだから…

そうじゃなきゃ、こんな事できない。

そうじゃなきゃ、気が狂ってしまいそうだったから…


「予約をしている相良です」

「今日は○○○号室でございます」

いつもの段取り。フロントは顔見知りだが事情を分かっているのか

知らぬ顔で部屋のカードキーを差し出す。

それを静かに受け取って私はエレベーターに乗り込んだ。
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