恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】

葛藤

仕事は、体調が悪いからということで、今週はいつものように定時で帰るように、
課長から指示されていた。

他の同僚に負担をかけるのは心苦しかったが、かといって倒れて
休んでしまうよりはましだと自分に言い聞かせて、できる限り頑張った。


この前次の検診の予約はしたものの、行くかどうかすら、私の中では決めかねていた。

結婚…
出産…

彼との関係がいつまでたっても現実味を帯びない私にとっては、
毎日が不安と混乱の連続だった。


このまま、あの人に何も告げなくていいのか。

彼なら頼りになるかもしれないが、本当に私は男である彼を信じてもいいのか。
信じられるのか?


一度すべてを委ねて信じた後に裏切られるほど…
むごいものはない。

私の感情がどうであれ、今この身に起こっていることが何であれ
彼と私ではあまりにも…

彼にとっても長い人生の経験だったと、ここら辺で
私の前を通り過ぎる方が幸せだと思う…
たぶん。

私にとっては生理的に受け付けさえすれば彼ではない誰かで事が足りる。

私は、また探せばいい。そう簡単に見つかるとは思ってはいないけど…

でも今更誰かを愛する必要は…
もうない。
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