恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
「もちろん結婚するよ。そして美奈ちゃん優奈ちゃんがいいなら今日から一緒に

二人のお家に帰ってもいい?」

えっ?水をグラスから飲んでいた私の手が止まった。

彼の視線がまた私の方へ戻ってくる。このタイミングでそれを言う?

彼が目でさりげなくこちらに確認してくる。

「優奈ちゃんのママ、危なっかしいから、一緒にいて見守ってもいい?」

「確かにママってドジだよねぇ~。忘れ物よくするしぃ~、携帯失くすしぃ~」

「はあ?優奈!!何言って…「はぁ~。やっぱり、一緒に帰る」」

彼が切なげにため息をしてから、珍しく時計をちらっと見て私の会話にかぶせてきた。

「どうして?まだ…

「もういいよね?仕事忙しいからゆっくり会えないし…

ひなさんこの頃滅茶苦茶な事しかしないし…」」

「大丈夫だよ。これ以上もう…」

「うそ。見張ってないと不安…

それなのに実はこれからまた仕事」

落ち着きなく肩を落とす姿は先ほどの彼とは全く違う一面。

彼はうつむいてもう一度時計を見た。娘たちは、私達の様子をくすくす笑いながら見ていた。

「戻るの?」

「うん。9時過ぎたら送っていって戻る約束」

「まあ、今4時間抜けるのもきついよね。たぶん」
< 185 / 195 >

この作品をシェア

pagetop