恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】

おおきなベッド

そして、その手を引いたまま私の部屋に初めてきた。

そこで、彼は私に道を譲る。

私がノブを握り、明かりを付けてその部屋に立ち入る。

「お邪魔します」

彼はその後ろを遠慮がちに入ってきた。

「どうぞ、と座る場所はないのでここに」

私はデスクにあるチェアーを勧め、
自分はセミダブルのベッドの端に座る。

彼がデスクチェアーに腰掛け、ゆっくりと部屋の中を見回す。

部屋と言っても小さなデスクと本棚、あとこの大きくて困る
セミダブルのベッドがあるだけだった。
< 72 / 195 >

この作品をシェア

pagetop