恋愛音痴と草食





「……美味しいです」
確かに美味しい。だけど美味しいはずなのにさっきから緊張しちゃって味を正しく感じられているか今一つ自信がない。

「そう?なら良かったかな」

 今の私の緊張の原因はあくまで優雅かつキラキラしたイケメンオーラ全開でどこか悠然と食事をしている。

 勘弁してくれ。今まで生きてきた私の歴史上モテ系イケメンと個室にふたりっきりで食事なんて無い。たかが食事って思うだけに自分が少々みっともなくも思う。ひろちゃんとはサシで食事とか居酒屋なら何度かあるんだけど、こんなに気疲れなんかしないし。

……イケメンとふたりっきりで食事するもんじゃないな。学習した。

『佐倉さんも仕事終わり?』
仕事が少し早く終わって惣菜購入しようと駅ビルの地下街に向かうエスカレーターで小田桐さんに声をかけられた。

少々立ち話してお別れするつもりが、いつの間にか夕食することになり駅ビル近くのそこそこ高級な洋食店に今私はいる。

値段結構するんだろうなぁ。手持ちがなかったらクレジット払いにしよ。

なんか私会話しないと駄目なのかなぁ。


いろいろ考えることあるから食事を楽しむ余裕なんか私には無い。
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