お前のすべてを愛してやる【完】
「なぁ、亜矢乃」



「なぁに?」



「そろそろ、大倉くんってのやめね?」



「え?」



「衣月って呼んでほしいんだけど」



少しだけ照れくさそうに言った。



「い、つき…くん?」



恥ずかしいなと思いながらも呼んでみた。



「おぅ。じゃ、これからはそう呼べよ」



「う、うん」



「衣月ー、そんな命令口調じゃいつか亜矢乃に嫌われるぞー」



「あ?信には関係ねぇだろうが」



「んだとっ!?俺はお前の為に言ってんだー!!」



いつもと変わらない光景。



二人の横でクスクスと笑う、わたしと真琴。



楽しかった。



真琴といる時も。



この4人でいる時も。



衣月くんといる時も。


















































……そう、あの時までは。
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