お前のすべてを愛してやる【完】
―ガラガラ―



ゆっくりとドアを開けた。



(………っ!!)



みんなが、わたしを見ていない!?



いつもは、わたしが入ると一斉にこっちを見てヒソヒソ話をしてたのに。



亜矢乃が教室に入っても、それぞれ会話に盛り上がっていた。



話し掛けてくれなくてもいい。



友達もいらない。



ただ、普通に授業に出られればそれでいい。



それだけで、充分幸せだから。



亜矢乃は黙って自分の席へと座った。
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