呪島~ノロイジマ~
美絵は目を覚ました。



――ここは……?



ぼんやりとした景色が、徐々にはっきりし始める。


真っ暗で冷たい床。



目の前に目を見開いた敦也の顔。


地面についたほうが、どす黒い血に染まっている。



もはや生きていないことが分かった。



「イヤ、イヤ、イヤ、イヤ、イヤぁあああああああ」


美絵は叫んだ。



と同時に起き上がろうと……





身体が動かない。



ピクリとも動かない。



これはいったい……?



まさか……


声は出る。意識もしっかりしている。


なのに……身体がまったく動かせなかった。

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