きれいな恋ばかりじゃない
初デート作戦!
早速そのまま松原くんと作戦会議をする事になって、二人でファーストフードに入った。
小腹が空いたからポテトとシェイクを買って、奥のボックス席に座る。ちなみに、松原くんはコーヒーとポテト。

「とりあえず、二人で花火大会だね」

「いきなり!?えっと、松原くんはついて来てくれないの?」

「なんで?二人がいいでしょ?それに、そんな野暮なこと、俺は出来ないよ」

そう言って松原くんはニコッと笑う。確かに笑顔はすごい似てるかも。
やっぱ兄弟なんだなぁ・・あんまり似てないけど。

「おーい、何ボーッとしてるの?」

「あ、ごめん。松原くんてあんまり先輩と似てないなぁって思って・・」

「あぁ、よく言われるよ」

松原くんは先輩と違って、キレイに真っ黒な髪の毛で、可愛い系イケメンって感じ。キレイ系イケメンな先輩とは違う系統なんだよね。

「でもね、実は俺の方が背高いんだよ?」

「えー、意外かも」

「まぁ、それは置いといて。俺がどうにかするから、兄さんのバイト先で集合ということで」

「え、えぇーっ!」

松原くんて優しいけど、結構強引なんだ・・・。

「兄さんは色んな人に誘われ過ぎて困るから、当日はバイト入れてるんだよね」

「え?じゃあダメなんじゃあ・・・」

「大塚さんなら大丈夫だし、その近くの公園からでも見えるから、時間と場所取りの心配もないよ。あと、夜食のおにぎりなんて作って持っていけば、完璧だね」

大丈夫って・・本当に大丈夫かなぁ。それに手作りのおにぎり、か。でもそれくらいなら大丈夫かも!さりげなく出せそうだし。

「緊張するけど、動かなきゃ何も伝わらないし変わらないもんね。私頑張るっ」

「よし!言ったね?頑張るんだよ、俺も応援してるから」


・・・・・


それからは毎日おにぎりの練習をした。お母さんに先生をお願いして。
そのかいあって、どうにか完璧な三角おにぎりをマスターすることが出来た。良かった・・・本当に良かった・・・

そして、松原くんに聞いた先輩好みの系統の服を用意して、ヘアアレンジも一生懸命練習した。

ーー後は当日を迎えるのみ。緊張するけど、前の私とは違う。絶対成功させるんだ!


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