Sympathy For The Angel
「まだ起きてた。この不良娘」

美優紀はまだ起きていて、リビングで何やら作っているようだった。


「椿さんにお借りした編み機にハマってしまって、気がついたらこんな時間でした」

てへ、と笑う美優紀の頭をぐりぐり撫でると、美優紀が顔を輝かせた。


「椿さん、これ……!」

美優紀は私の左手のリングをみつめて、ほうと息をついた。

「ああ、これね」

ふふっと笑ってその場を凌ぐ。



「あっ、そう言えばさっき椿さん宛に留守電が入っていましたよ!」

「そ。相手は誰だろ?」





再生ボタンを押すと、それは先刻樹に脅された―――


八神諒だった。






『掛井に邪魔されたからこっちにかけ直した。……明日の10時。迎えに行く』


用件だけを伝えたその電話に、何故か恐怖が湧いてきた。
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