Sympathy For The Angel
大通りを抜けその端にあるsnow drop に顔を出すと、今日は常連の連中は来ておらず、新参の子達が遠慮しながら遊んでいた。

その子達と会話をして街や学校の様子を聞きだし、この世界の荒事にはまだ慣れていない彼女達には色々とアドバイスをしてやった。



「だから制服で来んなっての!」

途中、金井さんがまた目くじらをたてて私を睨んできたけど気にしない。



「今日はここら辺で帰るわ」

そう言って席を立つと、真依が意外そうに私を見た。

「もう帰るんですか?」

「部屋の大掃除をやんなきゃいけないからさ。明日、美優紀がうちに来るから」


引っ越し業者には連絡しておいたから、部屋をどこか空けておかなくてはならない。





店にいた女の子達に別れを告げて外に出ると、雨粒がポツリと目に入った。

もう一度店に顔だけ覗かせ、本格的に雨が降る前に帰るよう皆に注意した。


家までの道を歩いていると、雨に溶かされシャバシャバになったシャーベット状態の雪を車に引っ掛けられて、マジギレしながら悪態をつく。

家につくとずぶ濡れの制服を脱いでシャワーを浴びた。寒さは少し和らいだ。


自分の部屋の横にある空き部屋に行って、とりあえず片付けから始める。




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