Sympathy For The Angel
不要品と物置にしまう物を分けただけでも既に時間は10時になっている。

それから掃除機をかけ、最後にフローリングを拭きあげたら、もう真夜中だった。



夕方あれだけ甘いものを食べたけど、やっぱりお腹は空くもので。

そして相変わらず冷蔵庫には何も無いしインスタントの食材すら無くて。


お腹は空いたなぁ……。でも今からコンビニとかスーパーに行くのもなぁ……。


ピザなんてこってりしたのはこの時間には食べたくないし。


美優紀が明日から来るんだから食材だけは買っておかなきゃと自分を戒め、空腹を抱えたまま、その日は眠りについた。







次の日は奇跡的にも朝早くに起床して登校時刻内には学校に着いたので、クラスの皆からは驚愕の視線を浴びてしまい、かなりヘコんだ。

しかも今朝は朝ごはん抜きだし。

コンビニに寄ってくれば良かったと、つくづく後悔した。




「……うっそ。椿が学校に着いてる…だと……?」

「うっせ。つか、もう三時間目なんですけど」


重役出勤のエリカを皮肉ってから机に伏した。




ああ、腹へった腹へった腹へった。


「今日も1日良い子ちゃんするの?椿」

「いや?午後は必修科目が無いから、学校はフケるけど。エリカはバイト?」

駄目だ、腹が減ってて力が出ないし苛々する。


「今日はバイトじゃないけど。午後から何すんの?」

「美優紀のために色々と買ってこないといけないし。一緒に行く?」

「さては荷物持ちに私を使いたいだけだろー? いいけどさ」

「ありがとー」

早く昼休みになんないかな。空腹のせいで集中力もありはしない。






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