【続】朝の旋律、CHOCOLATE


体を洗う間、向こうを向いて貰っていた。

哲が洗うときは、私、めっちゃ見てたけど。


だって、シャワーが。
筋肉に沿って流れるのが、綺麗だったから。

蝶のタトゥーが、綺麗だったから。



………決して、哲の体に欲情したわけじゃない。

断じて、違う。





「ごはん…作るよ?」

何だか、外に食べに行くの、億劫になっちゃった。



のぼせそうな、バスタイム。

髪も洗い終わって、だいぶ“一緒に入浴”に慣れた頃。

悪戯を進めようとした哲から逃れるように、部屋に戻って来た。




「…だって今から作るの、大変だろ?」

「ん~?…あ、イタヤ貝の小柱と三つ葉の、卵綴じ丼とか、どう?」

桜エビ入り。



「食う」

「ごはん急いで炊くから20分待ってね」



私は。
哲と一緒に食事を取ることが好きだけど。

哲が。

私の作ったものを食べてくれることが、とても、とても。

幸せに思えた。




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