【続】朝の旋律、CHOCOLATE


「蜜」

「……」


真ちゃんが、哲のベッドの端に膝を付いて、私を覗き込む。


「マーマレード、出来た?」

「……あぁ、うん」


ジップロックに密閉して冷凍庫にあるから、持って行っていいよ。


「クリームチーズは?」

「…………ない」

「なんだ、無いのか」




………頼まれてないし。

だいたい今日来るなんて聞いてないし。


ぼそぼそとしか答えなかった私の頭を叩くように何度か触れた真ちゃんは不意に。



車に、キラ達いるけど、連れてきてイイか?と。

わざわざ耳元で、囁いた。




「…キラちゃん?」


いるの?ほんとに?

え?達?
達って?



「先月、子供が生まれたのョ。言わなかったっけ?」


「聞いてない!会いたい!」


がばりと起き上がった私の目を覗き込んだ真ちゃんは。

良かった、目ぇ開いたな、と。

あまり見慣れない、柔らかい笑みを、浮かべた。



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