【続】朝の旋律、CHOCOLATE



壁のドアは、開いていた。

私は、肌にこまかい針が刺さっているかのような緊張に、息を詰めたまま、そのドアを、無視した。



「蜜」


ああ、哲。
大丈夫だよ、そんな心配しないで。

なんとかするから。

明日には、笑うから。



お願いだから、あっちにいて。




「蜜…ごめん」

余計な嫌な思いさせて、ごめん。
だけど、絶対違うんだ。





「…ねぇ、哲」


私は、すがるような目をした哲が、私に触れるのを、拒まなかった。


私の中で、強烈な勢いで沸いた独占欲は。
哲の腕の中で、膨れ上がったけれど。





「ちゃんと、確認、しないまま…違うって言い切っちゃ…駄目だと思うよ」



なんだっけ?
あの、透明の。

哲がきもちくなると出るやつ。

…あれ、精子いるんだよ?

中で出さなくたって、妊娠するんだよ?



< 252 / 422 >

この作品をシェア

pagetop