【続】朝の旋律、CHOCOLATE
壁のドアは、開いていた。
私は、肌にこまかい針が刺さっているかのような緊張に、息を詰めたまま、そのドアを、無視した。
「蜜」
ああ、哲。
大丈夫だよ、そんな心配しないで。
なんとかするから。
明日には、笑うから。
お願いだから、あっちにいて。
「蜜…ごめん」
余計な嫌な思いさせて、ごめん。
だけど、絶対違うんだ。
「…ねぇ、哲」
私は、すがるような目をした哲が、私に触れるのを、拒まなかった。
私の中で、強烈な勢いで沸いた独占欲は。
哲の腕の中で、膨れ上がったけれど。
「ちゃんと、確認、しないまま…違うって言い切っちゃ…駄目だと思うよ」
なんだっけ?
あの、透明の。
哲がきもちくなると出るやつ。
…あれ、精子いるんだよ?
中で出さなくたって、妊娠するんだよ?