【続】朝の旋律、CHOCOLATE
私は。
本当は、別の事も、考えていた。
万が一、ほんとうに哲の子だったと仮定した、先の選択肢。
必死な様子の哲に、ほんとは揺らいだのだけれど。
今日はひとりで居たい、と。
哲を押し出して、ドアを再び、閉めた。
Cメールは。
もう怒ってないから、返事ちょうだい、と。
哲じゃない男のメッセージを、運ぶ。
狭山久志は、この状況を、喜ぶに違いない。
誰かが、歌ってなかったかな。
私の不幸を喜ぶ奴には関わるな、みたいな、歌。
眠る気にも、何か食べる気にもならなかったけれど。
なんとなく喉は乾いて。
さっき貰った、タピオカミルクティの容器を開けて、ひとくち含んだ。
つるりとしたタピオカの感触と、冷たい飲み物の感じはしたけれど、なんの味も香りもしなかったそれを。
波打って込み上げてしまいそうな感覚と一緒に、押しやった。