【続】朝の旋律、CHOCOLATE


私は。
本当は、別の事も、考えていた。

万が一、ほんとうに哲の子だったと仮定した、先の選択肢。




必死な様子の哲に、ほんとは揺らいだのだけれど。

今日はひとりで居たい、と。



哲を押し出して、ドアを再び、閉めた。



Cメールは。

もう怒ってないから、返事ちょうだい、と。

哲じゃない男のメッセージを、運ぶ。




狭山久志は、この状況を、喜ぶに違いない。


誰かが、歌ってなかったかな。
私の不幸を喜ぶ奴には関わるな、みたいな、歌。



眠る気にも、何か食べる気にもならなかったけれど。

なんとなく喉は乾いて。

さっき貰った、タピオカミルクティの容器を開けて、ひとくち含んだ。


つるりとしたタピオカの感触と、冷たい飲み物の感じはしたけれど、なんの味も香りもしなかったそれを。


波打って込み上げてしまいそうな感覚と一緒に、押しやった。



< 253 / 422 >

この作品をシェア

pagetop