【続】朝の旋律、CHOCOLATE


『蜜、ほんと心配ないからな?あの女、前も騒いだんだ。妊娠したから結婚してくれ、って』



かかって来た真ちゃんの、電話。
哲から聞かなかった事を、さらりと、喋る。



『たまに、いるんだよ』

ほらあいつ、笑わないし、見た目怖いけど…優しいし、割と真面目だろ?

俺ほどじゃないけど、イケメン君だし?

モテる男は、変な奴にも遭遇するんだよ。


な?

なんて。



真ちゃんはきっと、励ましてくれてる。

私は、急に緩くなった涙腺を引き締めようと必死で、相槌も打てずに、ただ、聞いていた。





『…蜜?』

「………聞いてる、よ」


『………………泣くなよ』



大丈夫だって。

哲は、…蜜しか見てないんだから。




「………まだ…泣いて、ないもん」

…大丈夫だもん。




『………ああもう!いっそ、かっさらうか!?』


「…な、にを?」

『お前だお前!』




…は?


真ちゃんは、深く深く息を吐き出して。


泣くような事にはなってねぇから、安心して待ってろ、と。



真面目な声で、小さく。
そう言った。



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