【続】朝の旋律、CHOCOLATE


「え?それ、今やらなきゃいけない事なのかよ」


不機嫌そうに声を落とした狭山工販の長男は、あからさまに学生くんを睨む。


「すみません、僕の手際が悪くて、倉橋さんにはご迷惑かけてばかりで」



……やだ…。
邪魔だとか思っててゴメン。

ナイスガイ!
ナイスガイだよ学生くん!



「なるべく早く、済ませますから」

にこり、と。

学生くんの笑顔は、完璧に作られた笑顔だったけれど。

この笑顔は、度胸がないと出来ない笑顔だ。



女の個室に、男の看護学生をつけるってどういう事だ、と。

正直思っていたけれど。


こんな人が来ちゃった今。

この黒っぽい笑顔は最強だ、と、初めて頼もしく思ってしまった。



学生くん。
あなた、名前なんだっけ?


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