【続】朝の旋律、CHOCOLATE
親にも言ってないのに…誰だろう。
看護学生くんが開けたドアから、大きな花束を持った、ひと。
狭山工販、の。
…ずくり、と。
胸の奥から、何かが込み上げた。
「なんで早くに言ってくれなかったのさ!」
開口一番、馴れ馴れしい、苦情。
…どうして親にも言ってないのに、お前に言わなきゃならないんだ。
手を振って、やたら失礼な態度で学生くんを追い出そうとしたかの人に慌てて。
私は、血圧!と。
学生を呼び止めた。
「血圧、計る時間じゃないですか!?」
「え…でも……」
「………血圧…計らないと!」
お願い、行かないで。
この人と、2人にしないで。
いつもちょっと邪魔だけど!
血圧計りすぎだけど!
ごはん食べないと、ってうるさいけど!
学生くんは、微かに訝しげに首を傾げてから。
じゃあちょっと、お体お借りいたしますね、と。
子供みたいな顔立ちのくせに、空気を、読んだ。