静かな涙【完】
『うん…河上さんの鞄があったから…』



『へーそうなんだ。』



『それじゃ、また。お疲れ様』




宮崎君がクルッと背中を向けて帰って行った。




えっ…




私の鞄があったから?



私はサラリと流しすぎて宮崎君の言葉をもう一度思い出した。




『…ねぇ…み…宮崎君、私の事待っててくれたの?』




少し遠くなった宮崎君が、振り返り微笑んだ。




『うん。危ないしね…それに…』




宮崎君は言い掛けてやめた…




『それに…?』




私は首を傾げる。
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