静かな涙【完】
帰りなんて、ほんとあっと言う間で…




見慣れない風景から、見慣れた風景へと変わって行った…。




ブロロ…




バイクの音が耳を貫く。
でもこの音も、心なしか悲しく感じるのは何故だろう…




私の心が泣いているから、そう聞こえるのかもしれない…





「…着いたよ…家の前まで送ってあげたいんだけど、大変な事になっちゃうから…」




そう言って、浩司は申し訳なさそうに微笑んだ…。





『…ううん。ここで十分。』

ここは、家の近くの公園だ。歩いて帰っても5分も掛からない。






『…浩司…ありがとね…』




私は、浩司に被っていたヘルメットを渡した。
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