椿山亜季人の苦難日記

大人、子供(p79-

放課後、呼ばれた校長室、
校長と、教頭、学年主任と担任、

吉原先生の姿はなかった。

あの時、入ってきたのは、担任の島田先生で、青い顔をして、吉原先生をひっぱたいた。


今も、この重苦しい空気の中、横に座り、私の肩を支えている。



学年主任が、校長に向きなおって、口を開いた。


「校長!田崎は成績もトップですし、生活態度も優良で、本校にもよく貢献しています!

目立った処分は、彼女の将来に傷をつけるだけですから…」



私をかばっているように聞こえる言葉…


違う。


学校のブランドを守るための言葉だ。



厄介なことになったと、頭を抱える校長。


私だって、あなた達のことなんて、どうだっていい。


ただ、不安になるのは、


今、彼がどんな顔をしているか…。

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