恋愛ターミナル
*
「おはようございまぁす! 篠崎さんっ」
同じ部署の後輩が、上司である“篠崎さん”に甘えたような声で挨拶をする。
朝から耳を塞ぎたくなるような声に、ちらりと二人を見る。
その後輩は篠崎さんしか見えてないようだけど、まんざらでもない顔をしていた彼は私の視線に気がついて目が合った。
――昨日私の家にいた彼は、おそらくそのうちあの後輩にも手を出しそう。
そんな雰囲気を悟ると、いくら私でも面白くない。
表情ひとつ変えずに、篠崎さんから目をプイッと逸らして仕事の準備を始めた。
篠崎さんが好きって気持ちは本当。
向こうからしたら私は浮気相手でも、私にとっては違う。それに、私は浮気はしない。
けど、こういう状況になったとき、私の判断はこうなる。
彼のことは好きだけど、一生を添い遂げたいとまで思わないし、奥さんじゃない他の女にまで妬まれるのはゴメンだわ。
と、なると、選択肢はひとつ。
【別れましょう】。
そうひとことだけメールをして、今回の関係も簡単に終わって行った。
メールで付き合ったり別れたりするのが信じられない、という人はたくさんいると思う。
私もそう。矛盾してるけど。
結局、そういう付き合いの相手だから――なんて正当化して、そうしちゃってるだけだけど、現に今まで一度もそれで揉めたことはない。
やっぱりそういう付き合いなんだな、って改めて思わされる瞬間でもある。
感傷に浸ることもせず、仕事をいつもどおりこなし、終業あとは声を掛けられていた凛々と落ち合って飲みに行く。
「おはようございまぁす! 篠崎さんっ」
同じ部署の後輩が、上司である“篠崎さん”に甘えたような声で挨拶をする。
朝から耳を塞ぎたくなるような声に、ちらりと二人を見る。
その後輩は篠崎さんしか見えてないようだけど、まんざらでもない顔をしていた彼は私の視線に気がついて目が合った。
――昨日私の家にいた彼は、おそらくそのうちあの後輩にも手を出しそう。
そんな雰囲気を悟ると、いくら私でも面白くない。
表情ひとつ変えずに、篠崎さんから目をプイッと逸らして仕事の準備を始めた。
篠崎さんが好きって気持ちは本当。
向こうからしたら私は浮気相手でも、私にとっては違う。それに、私は浮気はしない。
けど、こういう状況になったとき、私の判断はこうなる。
彼のことは好きだけど、一生を添い遂げたいとまで思わないし、奥さんじゃない他の女にまで妬まれるのはゴメンだわ。
と、なると、選択肢はひとつ。
【別れましょう】。
そうひとことだけメールをして、今回の関係も簡単に終わって行った。
メールで付き合ったり別れたりするのが信じられない、という人はたくさんいると思う。
私もそう。矛盾してるけど。
結局、そういう付き合いの相手だから――なんて正当化して、そうしちゃってるだけだけど、現に今まで一度もそれで揉めたことはない。
やっぱりそういう付き合いなんだな、って改めて思わされる瞬間でもある。
感傷に浸ることもせず、仕事をいつもどおりこなし、終業あとは声を掛けられていた凛々と落ち合って飲みに行く。