恋愛ターミナル
玄関に入れば、3,4メートルほどの廊下がある作り。
その廊下の壁には収納するスペースがついていて、それも私の家と一緒。
その収納扉が開けっぱなし。そこから溢れ出てるもの、モノ、物。
ひどく散乱してるのは、今週すでに回収日を過ぎているはずのビン、缶、ペットボトル。
さらには新聞も乱雑に積まれていて、言い方が悪いけど、ごみ屋敷。
奥の部屋までは見えないけど、その先を見るのにはかなり勇気が……。
「いや! その、アイロンが……どっかにあったような気がして……さっき探してて……んで、気付いたらゆうとのやつが、ごみ袋からペットボトルとか出して遊んでる始末……」
「ペットボトル、昨日でしたよね?」
「あー……と、なんか、調子狂うっつーか。ゆうと(こいつ)のことでいっぱいいっぱいで、直前に忘れて家出ちゃったんだ」
「……そう、なんですか」
ウソのようなことを言ってると思うけど、この人を見てると、きっと全部本当なのだろうなーと思った。
きっと、突然奥さんがいなくなるって、こういうことなのね。
それより――……。
「あの」
「え?」
「さっきから気になってたんですけど、お料理中なんじゃないんですか?」
「……ああっ」
私の指摘に、自身の手の中にある菜箸を見て、慌てて奥へと走っていく。