恋愛ターミナル

「はー、ごっそさんでした! そういや、今朝の梓のたまごやき! たまに美味いもんだなぁ」
「え? いつもはお弁当じゃないんですか?」
「いやいや! いつもこんなん!」
「へぇ……」


奥さんは、ゆうとくんのお弁当だけ作ってるの? 平岡さんの分も一緒に作ってあげればいいのに。
女子会で旅行にまで行かせてもらってるなら、そのくらいしてるものだと思ってた。


「はー。昼食ったばっかで考えるもんじゃねぇけど、夕メシどーすっかなぁ……」
「今日まで、どうしてたんですか?」
「んー……ゆうとが好きなもん作れないし。だってミートソーススパとか言うんだぜー。既製品は違うんだって! で、結局なんか買ってきたり、カップラーメンだったり。毎晩文句言われて大変だ」
「えっ。ま、毎日?」
「カップラーメンの種類くらいは選ばせてやってるぞ」


そ、そーいう問題じゃなくって……。

いくら数日とはいえ、こどもに毎日ってどうなの? 子育て無知な私が気にしすぎなだけ?
でも、私なら、数日出掛けるのにいろいろと考えて、ある程度なにか作っておいたり、指示したりすると思うんだけど……。


「あ。また心配そうな顔してる」


遠くの揺れる草を見つめて考えていると、ひょこっとそれを遮るようにして、平岡さんが私を覗きこんだ。


「って、それ、俺のせいだしなー……。なんか、すんません」
「や……別に、謝られても……」


私が勝手に人の家庭の心配しちゃってるだけだし。
ゆうとくんの生活もそうなんだけど、平岡さんも大丈夫なのか、とか。




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