恋愛ターミナル
昔から、好意を持って近づいてくる男は歳上で。それが、ハタチ越えたくらいから所帯持ちの割合が増えてって。
しかも、私もそれを合意の上で恋愛して、なんの不満も後ろめたさもなかったっていうんだから。
「……気のせいかもしれないけど、梓、なんかあった?」
私と同じくらい小柄な亜美が、私を覗き込むようにして言った。
「……どうなんだろ。あったような、なかったような――」
あったけど、なかったことにしたいだけ。
「……そっか。私に出来ることなら、遠慮なく言ってね?」
「ふふっ。大丈夫だよ。ありがとう」
別に亜美に相談したくないわけじゃない。ただ、自分でもことのほか動揺してることだし、頭の中で纏まってなかったから。
それに、くどいようだけど、もう終わらせたことだと思ったし――。
その日、時折『晃平さん』の話を出す亜美は、すごく幸せオーラを放ってた。
そのことは自分のことのように嬉しい。
けど、そんな亜美を見てると、平岡さんの奥さんもこんな感じで幸せなんだろうな、なんてくだらない嫉妬を感じたりしてしまった。