恋愛ターミナル
「んーー! やっぱり美味しいっ」
「ありがと。ゆっくり味わって」
「はいー。本当にありがとうございます」
いつまでもフォークを咥えたまま、次はどっちをたべよう? なんて考えながら自然と笑みが零れてた。
やっぱり甘いものって最高。疲れが取れるだけじゃなくて、気持ちが上がっちゃう。
いつの間にか晃平さんの存在よりも、目の前のデザートに夢中になっていたら、また晃平さんの「ははっ」という笑い声が聞こえてきた。
今度はなにを笑われることをしたの、私。
その明確な理由が思い当たらない私は、苦笑しながら晃平さんを見る。
「ああ。いや、さっきから本当美味しそうに食べるなーってね」
……「さっきから」?
……えっ! もしかして、パスタのときから食べてるとこ見られてた?!
別に変な癖とか、食べ方とかしてないとは思うけど、なんだかものすごい恥ずかしい。
「そ、そうですか……?」
「うん。亜美ちゃんは作り甲斐があるね。あ、そうだ」
「?」
この流れで、ケーキをまた口に運ぶなんて出来ない私は、所在なきフォークを持った手を迷わせたまま首を傾げる。
「亜美ちゃん、このあと時間ある?」
「え? はい」
「オレもうすぐあがりだから、映画でも行かない?」
フォークを落っことしてしまいそうな展開。
久しぶりにドキドキとする状況にどうしていいかわかんない。
とりあえず、テンパっておかしな顔にはならないように気をつけて、小さく「はい」というので精いっぱいだった。