恋愛ターミナル
「亜美ちゃん、へこんでる?」
「うぅ…………はい……かなり」
「オレが空腹我慢してると思って?」
「……気配りの出来ない女だなぁと、絶賛落ち込み中です」
「ぷっ」
堪え切れずに笑ってしまったという声。それを聞いて、またもや落ち込む私は項垂れる。
この間といい今日といい……どうしてこうも続けてダメなとこばかり見られちゃうんだろう。落ちるなぁ。
これでもかというくらい、がっくりと肩を下げていると、くしゃっと頭を撫でられた。
「亜美ちゃんは“ダメ”なとこ見せてくれるよね」
「“ダメ”……ですよねぇ、ほんと」
「なんか気を許してくれてるのかと思って、オレは嬉しいけど」
そんな優しい言葉に思わず足を止めてしまう。
お世辞だって思っても、それでもそんなふうに受け止めてくれるならこっちこそ嬉しい。
晃平さんが、顔を上げた私の目を見て、頭をポンポンとしたあとに言った。
「オレ、仕事中味見ばっかりしてるから、そんなに腹へってないんだ。だから大丈夫」
「そ……う、ですか……ならよかった」
頭に感じる重みと温もりがちょっと心地いい。
私に触れてる手から腕を辿って、晃平さんの顔を見上げる。
あれ、晃平さんてこんなに背が高かったんだ。
よく見たら、目元に小さなほくろがあるんだなぁ。
「オレの顔になんかついてる?」
「や! つ、ついてません! 綺麗です!」
「……『綺麗』って……ぶはっ」
今度は今までの中で最高に堪え切れなかったようでお腹を抱えて笑いだした。
この笑われてる状況に、もはやなにを言っても笑われる気がしてなにも言えない。