恋愛ターミナル
*
さらっとした晃平さんの前髪がくすぐったい。
キスのあと、ゆっくりと顔を離して晃平さんが言う。
「こんなオレ、幻滅した?」
いたずらっ子のような無邪気な顔。
確かに、あの一緒に料理をしたときとかの晃平さんとはちょっと違う。
でも、こんな優しいだけじゃなくて、ちょっと強引なところも好きになってる、私。
「……ううん。晃平さんは晃平さんだし。やっぱり優しいし……」
「優しい? そう?」
「だって……」
はた、と止まって考えた。
あれ? どうして私が欲しい言葉までわかったんだろう?
結婚までの理想とかは話をした記憶はあるけど……。
「どうして、私の喜ぶこと、知ってたの?」
「え? どのこと?」
「や! 違います! その想像はずれですからっ」
『喜ぶこと』を体を重ねて『悦ぶこと』だと思われてる気がして、赤面しながら全力で否定した。
「ああ。『愛してる』ってやつ?」
情事のあととはいえ、改めて言われるとものすごい照れる。
布団を両手で握り、口元を隠しながら、ほんの少し晃平さんに背を向けた。
つむじにふわっとした感触と、晃平さんの声が響く。
「あれ、梓ちゃんと凛々ちゃんから言われて」
「えっ?!」
「二次会終わって、あの凛々ちゃんがオレに『亜美をよろしく』って。あと梓ちゃんが……」
よ、「よろしく」ってなに! なに勝手なこと言ってるのよ、凛々!
「ほ、ほほ他には、ななな、なんて」
「『亜美は愛に飢えてるから、本当に大事にしてくれるなら、そのときは言葉にしてやって』って梓ちゃんが」
よ、よけーなお世話だよっ。
凛々ならわかるけど、梓まで! もうなにも言わないんだから!
身内からそんな情報が漏れているとも知らなかった私は、恥ずかしすぎて完全に背を向ける。
すると、スプリングが沈んで、不意に顔をあげたときにリップ音つきのキスが降って来た。
さらっとした晃平さんの前髪がくすぐったい。
キスのあと、ゆっくりと顔を離して晃平さんが言う。
「こんなオレ、幻滅した?」
いたずらっ子のような無邪気な顔。
確かに、あの一緒に料理をしたときとかの晃平さんとはちょっと違う。
でも、こんな優しいだけじゃなくて、ちょっと強引なところも好きになってる、私。
「……ううん。晃平さんは晃平さんだし。やっぱり優しいし……」
「優しい? そう?」
「だって……」
はた、と止まって考えた。
あれ? どうして私が欲しい言葉までわかったんだろう?
結婚までの理想とかは話をした記憶はあるけど……。
「どうして、私の喜ぶこと、知ってたの?」
「え? どのこと?」
「や! 違います! その想像はずれですからっ」
『喜ぶこと』を体を重ねて『悦ぶこと』だと思われてる気がして、赤面しながら全力で否定した。
「ああ。『愛してる』ってやつ?」
情事のあととはいえ、改めて言われるとものすごい照れる。
布団を両手で握り、口元を隠しながら、ほんの少し晃平さんに背を向けた。
つむじにふわっとした感触と、晃平さんの声が響く。
「あれ、梓ちゃんと凛々ちゃんから言われて」
「えっ?!」
「二次会終わって、あの凛々ちゃんがオレに『亜美をよろしく』って。あと梓ちゃんが……」
よ、「よろしく」ってなに! なに勝手なこと言ってるのよ、凛々!
「ほ、ほほ他には、ななな、なんて」
「『亜美は愛に飢えてるから、本当に大事にしてくれるなら、そのときは言葉にしてやって』って梓ちゃんが」
よ、よけーなお世話だよっ。
凛々ならわかるけど、梓まで! もうなにも言わないんだから!
身内からそんな情報が漏れているとも知らなかった私は、恥ずかしすぎて完全に背を向ける。
すると、スプリングが沈んで、不意に顔をあげたときにリップ音つきのキスが降って来た。