恋愛ターミナル
――見たことないな。
高校からの付き合いの私は、徹平のある程度の交友関係は知ってると思う。
徹平は友達もそこそこ多いほうだし、その関係を大事にするタイプ。だから、ある程度の友達は私もよく名前を聞いたりする。
それでも見たり聞いたりしてなさそうってことは、職場の人か、中学以前の友達か。
「おお? 一真(かずま)?! ひさしぶりだな!」
うーん。多分後者。昔の友達かな。
徹平の一歩後ろで、「一真」と呼ばれた人を見る。
遠慮なく見てたせいか、私の視線にすぐに気がついたその人がこっちを見て言った。
「あ、カノジョ?」
「はじめまし――」
「ああ。それより、ちょうどよかった! ちょっと近々、人集めてくんねぇ?」
ちょっと徹平! 「それより」ってなによ! 「それより」って!!
ちょっと控え目にお辞儀をしながらした私の挨拶に被せて、徹平はなにやら一真という人に話を続けている。
「え。なに? 合コンかなんか?」
「ん、まぁそんなとこ」
「……カノジョいんのに?」
ほんと、そのとーりですよ。一真くん。
「カノジョいんのに」、なぜ合コンなんてセッティングしてんでしょうね。
一真くんが私をちらりと気にして見ながら、冗談ぽく徹平に言った。
その徹平は私を見ることなく、一真くんだけを見て話をしている。
「や、おれはそういうの目的じゃねーし。職場の先輩に頼まれただけ。でもそんな何度もするほど友達もいねぇし……あ、ノブとかマサとかどうかなー」
「あ。これから会うけど?」
「マジ! じゃあちょっと顔出そうかな! あいつらに会うのも久しぶりだし! ……いい?」