恋愛ターミナル
――――ズルイ。
こんな流れで、一真くんとやらがいる前で、『なに考えてんの?! バカじゃないのっ! 私と友達(合コン)とどっちが大事なのよっ!!』と言えるわけないでしょうが!!
「……どーぞ」
なるべく顔に出さないように、でもやっぱりどこか面白くない顔をしてるであろう私が小さな声で答えると、徹平は超笑顔になった。
「サンキュ! あ、凛々も来る?」
「や、私はいいや。その辺で買い物でもしてるから」
「そか。じゃ、終わったら連絡するから!」
ぽつんと街中に残された私は、目の前の信号を一度見送った。
こんなに人で溢れてるのに。友達も、彼氏だっているのに。
なんでこんなに孤独なの……?
「……バカ、テッペー……」
それでも、その“バカ”を選んだのは私。
買い物なんか、昨日しちゃったし。もうすぐお昼でお腹すいてきたし。
でも、きっと徹平はあの友達とお昼食べちゃいそうだし。
“おひとりさま”なんて怖くない私。
「もう、一人で食べちゃお! 奮発しちゃうんだから」
無理矢理テンションを上げて、向かう先はノースタワー。
駅直結のタワーにはたくさん店が立ち並び、本屋やカフェも入ってる、時間つぶしにはもてこいの場所。
私はタワーに着くと、少し早いけどランチにするため、レストラン街直結のエレベーターに乗り込んだ。
ガラス張りのエレベーターが上昇すると、みるみるうちに景色が変わり、今自分が歩いてきた道が小さく見える。
あっという間に8階に運んでくれたエレベーターは、忙しなく今度は下へと下がって行った。