ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
「ツーアウト!あと一人…、さあ、しまっていこーっ!」
キャッチャーをしているクラスメイトが、指を二本突き立てて。マウンドに立つわたしへと…
…檄を飛ばす。
元ソフト部で慣らしていたはずの強肩は、既に悲鳴を上げていて…。
コントロールを失いかけている。
バイトを優先したツケが…回ってきているのかもしれない。
準決勝まで勝ち上がったのは良いけれど…、投球数は、その分…多くなる。
公式戦ではないし、言ってしまえば、たかが…体育祭。
無理しなくたって…良かった。
交代してくれそうな男子は…いくらでもいるし。
だけど、頑なに続ける理由があった。
周囲の期待の大きさと、
それから……
『アンタこそ精々指くわえて見とれっ、私の上野ばりのピッチングを……!あほ由良……!』
自分が放ってしまった…
挑発的な、言葉。
スポーツに青春をかけてきた性格が、スポコン魂が。
そうは問屋が卸さない…っちゅーわけですわ…。
なのに……、だ。
由良はいっこうに姿を…現さない。
朝、教室には……来てたのに。
自分が出ないからって…、卑屈んなっとるんか?
「ストラーイク、バッターアウト!!」
審判が拳を上げて。
それから…、歓声が沸き起こって。
ゲームセット。
「日向あ、よくやった!!」
マウンドに…皆が集まって。もみくちゃに…される。
私が女だってこと…みんな忘れてんのやないかい?!
遠慮無さすぎやろ!
なんとかそこから逃れて…、額に滲む汗を腕で拭いつつ……
私は、周囲を見渡した。
「凄いわ~、小夏ちゃん。めっっちゃかっこよかったで!」
目があった千波ちゃんが、駆け寄ってきて…私にハグする。
アカン…、ええ匂いさせてんで、自分…。
女子力ハンパないわ。
「………。あれ?アキラは?一緒やないん?」
「アキラちゃんは、バレーで勝ち残ってん。さっきまで私も応援行とったんやけど…小夏ちゃんも見たいし、何往復もしちゃった。」
「わ…、バレーも勝っとんのや?凄いわー、女子!」