ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
ソフトボール、決勝。
阪本くんが言うように、3年5組が勝ち上がり…
投手戦が、繰り広げられられた。
昨年の優勝チームやったなんて…、どうりで、打線も安定しちょるわけや。
ギャラリーは、後輩への威圧感がむんむん…。
応援の声が、小さなっていた。
下剋上しようだなんて…、後でシバかれそうな勢いや。
体育祭ルールは、5回裏までと定められ、点数が4回までで10点点数が離れたら…コールドゲームとなって、勝敗が決まる。
ただ今…、3回表。
3対3。
ランナーは、満塁…。
ボールを握る手に汗をかいて、上手く…握れなくなっていた。
現役の頃とは違って…、
肩がもう、上がらない。
「……限界やな……。」
カッコええとこ…
奴に見せたかったのに。
回した腕が…
ズキン、と痛んだ。
「……あ……。」
ふわりと浮いた球が…
スローモーションに見えて。
甘いところに入るのを、相手も見逃すはずもなく。
バットに当たる、鈍い音と、
反応に遅れた私の右手首に痛みが走るのはほぼ同時で……。
ホームにボールが返ってきたのは、3人がホームベースを踏んだ後の…ことだった。
ライトの守備についていた女の子に…
レーザービームなど、期待できるはずもない。
完全に、私の…ミスやった。
右手首が…ズキズキと痛む。
見れば…真っ赤になって。少し…腫れている。
「日向、大丈夫か?」
チームメイトがかけよって来て。私に…声を掛ける。
「平気平気、それよか…2アウトやし、あと一人やん。しまっていこー。」
だらんと下がったままの腕。
結構…キツいって…自分でもわかる。
「ちょっと見せてみ?」
一人の男子が、そう言って…腕を掴んだ瞬間に。
「触んな、あほう。」
それを切るようにして……
手を叩かれる。
「あかん、腫れとるやないか。」
迷いなく私の手をとったのは……由良。
「だ……、大丈夫やし。」
「は?強がるのも大概にせいよ?」
ヤツは人指し指でちょん、と……
腫れた所に触れる。
「……ぎゃっ…」
「ホレみろ!全然大丈夫やないし。……しゃーないな、誰かコイツんとこ保健室に連れたって!」
「……い…、イヤや!」
「アホか!こんな状態で投げとってたらなあ、ポカスカ打たれんのがオチやねん!」
「……けど、まだ見せてないし!」
「ああ?」
「………。上野ばりの…ピッチング。」
「………。……上野さんに失礼なやっちゃ…。比べる程もない。」