ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)


「そんなことないわ。……アンタがおらんかったら…、今の私はないんやから……。」



「いい元彼やろ?」


「クソ優しいのは…、天然なんやなあ。癒えるわ。」


「勿体ないやろー、ヨリ戻そうか?」


「私には、優しすぎて…勿体ない。」


「………。駄目な理由がソレ?きっつー…。」



「……ちゃうねん、ただ……、私はやっぱり由良がすきやねんなあ?だから。」



「………なら、えーの?俺とこんなんしてて。恐らく既に噂んなっとるで?」



「それに惑わされるくらいなら…駄目んなるくらいなら…それだけっちゅーことや。……突破したるで。香澄ちゃんに負けたらへん!」


「………?小林?」


「ん。なんや噂流れてるからなあ、これでおあいこや。」



阪本くんは、ははって笑ろうて。


わしゃわしゃと……私の頭を撫でた。





「…………。」


この人は…、出会った頃からおおらかで……


何度、彼の存在に癒えたかわからない。



この、大きくて温かい手が、


優しい手が、


私じゃない、他の誰かを癒す日が来ればいい、と……




本気で思った。






「勿体ないやろ……、私んなんかに。」


「仕方ないやん、そんでも…好きやったんやもん。」


踏み台にしたくせに… 偽善者って思われるかもしれんな、


けど……


「………あんがとうな、阪本くん。」


友達に戻りたいだなんて、都合いいとこは…言えへん。



お互いに、前を向かな…あかん。



変わらんな…あかん。



こうやって、


たまーに、刺激を与え合うような存在に…なれたらいい。




「決勝…、応援したらんからなー。」


「……そうやな、それでえーよ。」


「…嘘、やっぱ、こっそり応援してる。」


「どっちやねん。」


「……呑気に笑ってんのが、日向さんやろ?そうやって、幸せそーにしてるか見届けちゃるで。そんじゃ…、また。」


「……。ん、また。」



背を向けたまま、手を振る…阪本くん。



彼はここに…何しにきたのだろうって…思う。


自分のクラスの試合も終わって、

誰も…もう残っていないのに。










『……呑気に笑ってんのが、日向さんやろ?そうやって、幸せそーにしてるか見届けちゃるで。そんじゃ…、また。』




いつから…見ていてくれたんだろう。


見届けようだなんて…、いつから、そう思っててくれたんだろう…。



自分を振った相手に、そんなことを言えちゃうなんて、負け犬どころか…男前過ぎるやん、なあ…?






「……。……私も…強うなりたい。」



阪本くんの気持ちも、

自分の気持ちも……



もっと、もっと…、大事にせなあかんな。












< 154 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop