【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「……そんな顔しないでよ」
ぽんぽん、と、小さい子どもをあやすように頭を撫でてくれる。
困ったように笑う山田くん。あたし、いったいどんな顔してたんだろう。
大体の想像はつくけど。きっと、今にも泣き出しそうな顔をしていたに違いない。
“離れたくない”“寂しい”って。あたし、顔に出やすいからなぁ……。
大人しく、黙って山田くんになされるがままに撫でられる。
温かい手に、そのまま強く抱きしめてもらいたかった。
「……なかなか一緒にいてあげられなくてごめんね」
優しく響く声に、ふるふると顔を横に振る。
今日も、午後から部活だってさっき言ってたし。
あんまり迷惑かけちゃいけない。
それは、これからもきっと変わらないけど。
でも。
「……たまには、こうして甘やかしてね」
それだけで、十分すぎるほどに幸せだから。
ちょっとくらい、会えないのも我慢できるから。
だから、“次”の約束をください。
満開の笑顔で小指を差し出したあたしに、山田くんは笑みをこぼして、自分の小指を絡めてくれた。