【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
殺気がしたのでマッハで頭を下げた柚希さん久々にマジ必死。
山田くんは呆れた視線をこちらに向けたあと、また数回咳き込んだ。
だ、大丈夫かなぁ?
「……ごめん、立ち止まり過ぎた。早く帰んないと親心配するよね」
「ううん!それは大丈夫!朝帰りして来いって言われたから!」
「ごほっ」
ドヤ!と言ったあたしに今度は違う意味での咳をする山田くん。
……あれ。素直に言い過ぎたかしら。
ぶっちゃけて言うと、勝負下着のお金までお母さんにもらってたんだよね……速攻で返したけど。
柚希さんあのときほど手が俊敏に動いたことはなかったわ。
だ、だって、そんな直球で色々と準備されちゃ、急に現実味が帯びてきちゃうじゃないですか。
……まぁ結局、なにもなかったんだけど。
雑談しながら歩いていると、すぐに着いてしまったあたしの家の前。
もうお別れかぁ……あっという間だったな。
寂しいな……なんて、チラッと山田くんを見上げると、そんなあたしの視線に気づいてくれた。