卑怯な私
「ごめん、遅れた」
私達3人は時間内に待ち合わせ場所に集合して優希を待っていた。
「あ、また?」
優希の“また”は嘘ではない。
待ち合わせ場所に来て4人で遊ぶと分かることが多々ある。
「じゃあ映画に行こう」
元々私達が行く予定だった場所に2人が加わっただけ。
「カップルシート2組」
別に、このグループにカップルは居ない。
だけど、カップルシートの方が安いから。
チケットを購入すると、ポップコーンと飲み物を買う。
飲食を男2人に持って貰い、シートを探す。
「ここだよ」
「優希達前に座りなよ」
席は前後。
私は優希達に前を譲った。
「あ、うん。じゃあ飲み物交換「しなくていいよ」
優希が飲み物を交換しようとしているのを阻止した。
「え、どういうこと?」
「私は遊人と座るから」
元々そのつもりでトレーが遊人と同じ様になるように注文した。
「わ、分かった」
何かを悟った優希は翔樹と一緒に座ってくれた。