白いジャージとオレンジジュース
もう外は薄暗くなっているのに、部屋の電気はついていなかった。
「誰と間違えたんですか?」
俺は冷静にそう言った。
別に責めるつもりはなかった。
ただ、脇の甘さを注意しようと思った。
「別に・・・・・・」
「俺は誰にも言いません。さっき、この部屋に誰がいたのか教えてもらえますか?」
背筋を伸ばした斉藤先生は、顔を押さえて今にも泣きそうだった。
「すいません。立ち入ったことを聞いてしまいました。今日は徳田のことを話しに来ただけなんです。最近、落ち着いてきたなって。クラスでも落ち着いてますか?」
「あ、はい。勉強も頑張ってくれていますし、明るく毎日登校しています」
目を合わせてはくれなかった。
俺は、徳田の笑顔を思い出す。
大和のことを好きな徳田。
そのことを斉藤先生に相談している。
でも、斉藤先生と大和が付き合っている、としたら?