冷たいな京華さん
「ちぃっ!」

回避は間に合わない。

数百近い狐火と、四尾に纏わせた炎。

神通力を総動員して防御に徹する姫羅木。

まともに食らえば姫羅木とて凍傷程度では済まない深手を負わされていたに違いない。

真夏のこの時期でさえ、ここまでの強さを発揮する雪女がこの国に存在したとは。

(何という奴じゃ…冬に戦う羽目になれば、わらわとて危ういかもしれん)

何とか『凍て付く瀑布』をしのぎ切り、溜息をつく姫羅木。

そんな彼女の視界に飛び込んで来たのは。

「あ゛~~~~っっ!」

姫羅木の隙を突いて、千春と熱烈なベロチューをかます京華の姿だった。

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