冷たいな京華さん
「京華(きょうか)という」

その幼女は名乗った。

「こんなナリじゃが五百年は生きておっての…本当はこの季節は山奥にこもっておるのじゃが、ほれ、今年の夏は猛暑じゃろう?随分と妖力を消耗してしもうての、仕方なく妖力充填に人里に下りてきたのじゃ」

空になったオレンジジュースのペットボトルを逆さにして振りながら、京華は言う。

「はぁ…妖力充填…」

千春は呟く。

人間と違って、妖怪は空腹を満たすだけでは満足できないらしい。

様々な便利な能力を持っているようで不便なものなのだなと。

そんな事を考えたりする。

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