ミステイク ラブ


「ずっと、好きだった」


「嘘…嘘だ」



そんなのありえない。

こんなの夢だ。



「嘘じゃねえし。好きじゃないなら試合放置して追いかけて来ねえよ!」


「嘘だー…」



こんなに嬉しい事なんてない。


夢だと思うくらい、現実味がないよ。



「バーカ…」



そう呟いた北人の顔が、赤くなっていたのが動かない証拠。



「…好きだ。バーカ」



素直じゃなくて、失敗ばかりで君の事を困らせてばかりで…嫌な思いもさせるけど、君の事が大好きなんだ。



ギュッと抱きしめてくれる腕が、やっと掴める。


手を伸ばして、触れれる距離に北人がいるんだ。



「ずっと抱き締めたかった」


涙をぬぐってくれる指も、手ももう握っていいんだよね?



ずっとずっと手に入れたくてしょうがなかった君。



【おわり】


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