三種の神器‐戸嘴美園(こはし みその)の場合
「そうだった。マジでマズイ!早くしないと常駐の警備員のおっちゃんにお店を閉められちゃう!」
  と小さく叫ぶと美園は慌ててロッカー室へと走り出した。




  ちなみに美園はロッカー室へと続くフロアを駆けている時に、『今日は楓駕(ふうが)君の言葉に甘えて家まで車で送って貰おうかな?』と言う言葉が、ふっと脳裏をかすめた。そんな風に思えるほど確かに今夜の美園は、疲れきっていたのだ。




「良し。決めた!」
  と言うと美園は急いで制服から私服に着替えて、ファミレスの入り口へと急ぎ足で向かった。




  ファミレスの入り口を出ると楓駕(ふうが)が車の窓から顔をチョコンと出して美園の名前を呼ぶ声がしたので、美園は急いでその声のする方に歩いて行った。
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